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あの日はライオンが咲いていた

演遊祭

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[脚本 ]太田友和(PocketSheepS)
[演出 ]加治幸太(K-FARCE)
[舞台美術・舞台監督 ]浅見雄介(ゆにっと)
[音響 ]岡村崇梓(Tempo Control)
[照明プラン]岡田潤之
[照明操作]近藤可奈子
[楽曲 ]EITA(時空海賊SEVEN SEAS、TAKAEITA)
[ロゴデザイン・イラストレーション ] おおかみ少女
[宣伝美術・写真・ウェブサイト・クラウドファンディング ] Licca
[制作 ]若林沙織

※感想が不親切、というかメモだから意味不明
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な部分も有り
***
長く入院する彼女は担当医からある女性のお話を聞く。その女性は勤める会社の被験者となって「ある記憶」を取り除かれる。

記憶を失う女性と彼女の中から失われた苦しいけれど大切な記憶。
感動ものとしては王道なストーリーではある。
と言いながらも、病院にいた彼女が主人公である彼女で、語られる物語が彼女の過去であるというのは実は途中まで思ってなくて、
思ってないというよりもなぜか半信半疑?
理由の1つが病院にいる彼女という存在の歪さだった。
最初、私は彼女を「少女」として認識した。でも、それにしては見た目が「少女」には見えなかった。
もちろん、大人が子供役をするんだから多少の違和感があっても仕方ない、でも、それにしては子どもに見せようという努力すら感じないのは何だか変な感じがした。
ミスキャスト?とも思った。
でも、そうではないということが最後になってわかる。実年齢は二十代の立派な大人だけれど、記憶が10歳までしかなくなっている。
だから、あんなにも雰囲気と見た目にずれがあったんだろうと。

全体像を先に書いてしまえば、なぜか皆さん早口で、そのプロダクションごとに話す速さがだいぶ違うけれど、それにしては今回の舞台は総じて皆、早口な気がする。
あとは、ちょっとこの舞台の本質なので、残念なところではあるけれど、きれいごとを処理しきれなかった、という感じがする。
象徴となっていたのは、本郷と月島。どちらもある意味失われた愛しい人の記憶の大切さを語っている。
間違っては無いけれど、使い古されたテーマを独自のものとして処理しきれなかった感じがある。

だから、すごく朗々と語るよりもふとした彼らの思いやりや優しさの方が琴線に引っかかる。
月島はチャラいのかフェミニストぶるセリフが多いけれど、その中に梢の緊張を解こうとする優しさもあれば、すげなく返された奈緒への心遣いもある。そういうところの方が彼の暖かみを感じる。

明示的なメッセージよりも弱い中での他者を大切にする思いがこの作品の良さか本質のように個人的には思っている。

梢は最初あまりいろが無くて、他の濃いキャラに紛れていて、透明感があるけど悪く言えば地味で印象が弱い。
ただ、等身大な感じはする。記憶を失った少女の人格も、普通の25歳の梢の時も。見せ場の最後の1つ1つ記憶を取り戻していって泣くシーンはだから嘘くさくないのかなという気がする。

本郷も梢と同じく地味と言えば地味。メイン2人がそれで良いのかと最初不安に思ったのも確か。
でも、だんだん色がついていって、2人とも自分を構成する重要な記憶がないから薄く感じたのかもしれないけれど。
最後には蔵前とちゃんと記憶をわかつ対として並んでいて、空気というか負けている感じがなかった。
蔵前が優位な立場から落ちて来た部分もあるかもしれないけど、最初からは考えられなかった構図だった。

蔵前は美智留が出て来てからどういう人なのかわからなくなって。普段の蔵前と気弱な声の蔵前。過去と今で大切な人を失って変わった、という設定も有りは有りだけど、それにして人格に断絶があるような気がしてならなかった。
気弱な蔵前が本当は本郷の記憶だとわかって納得した。別人なんだから、断絶を感じても仕方がない。でも、蔵前には記憶も彼女を恋しく思う感情も自分のものか本郷のものかわからない。それに振り回されている。でも、最後に自分を見つめてくれない美智留を否定せずに身を引いたのは、それだけは確かに本郷ではなくて彼の愛情と優しさだったんじゃないのかと思う。

英朗の弟治役の越中さんは、数少ないこのプロダクションで知っている役者さんの1人で、こう言っては悪いけど、これまで薄味な方だなという印象だった。でも、治はなんだか、ぴたっとはまるとも違うんだけど、すんなり違和感なく越中さんの役としてそこにいて、素直じゃない優しさとか近しい人・家族思いで、でも、直接自分では触れられない臆病さで見守っている感じが、なんだか合うなあって。今まではどうだっただろうか。自分の弱さ故に大切な人が悲しんで傷つくのが嫌みたいな誰にでもある卑怯さが必要だったのかもしれない。

ちょいちょいギャグシーンやギャグを担当するキャラが配置されていて、最近体力の衰えから笑いをとるシーンがしんどいことが多かったけれど、今回、数の割にはそういうこともなくて、どうしてだろう……と思っていた。
たぶん勢いだけじゃなくて、それでいて、素の反応を恐る恐る中途半端に零すのとも違う、プランがあるギャグシーンだったのかなと思う。変な泣き顔や声で去って行く時も、何か捨て台詞のようなものを言っていく時も、たぶん何も考えずその場のノリで対応していたら、できないことだったと思う。ちゃんと流れに組み込まれたものだったから疲れなかったのかな?と。
主に笑いをとるのを担っていたのは、奈緒と江戸川。まあ、ちょいちょい緑や四谷もそうだったけれど。
緑と四谷は窓を開けて告白するところが地味に好きで、それも緑の鍵を開ける時に舌?を鳴らすのが、うまい!と手を叩きそうになった。
2人は笑いをとるけれど、一方でわかりやすく暖かくて優しい人々の象徴だった。過保護なところもずっとそういう妹離れできないキャラ付けなのかと思っていたけれど、たぶんそれだけじゃなくて梢の病気のせいもあったんだろうなと後から考えると思う。
四谷の声は途中叫ぶ時のガラガラな掠れた感じの声と優しく言う時の高い声の時があって、高い時は、でも、変にキンキンしなくて、彼の優しさと穏やかさを感じる不思議な声だなあと思っていた。

Twitterで登場人物が皆大切にされていると書いたけれど、そう感じたのが参道と根津の存在で。
参道は奈緒の思い人だから、印象が弱くなることはないだろうけど、単にツンツンしたかっこつけになりそうなところがそうはならなかった気がする。彼の表に出せない不器用さと戸惑いがわかるのは周りが彼を語るから成り立ったんじゃないだろうかと。だから、彼は変に自分のことを饒舌に語らずに済んだ。生真面目で、それ故、思い通りにいかない苛立ちの感情を言葉ではなく感情のまま受け取ることが出来た。

根津は逆に通り一辺倒の脇役として、君は何をしてただろうか……と思う登場人物になってもおかしくなかったけれど、彼女も彼女で参道を恋愛対象として見ながら心強い仲間とも、良き友人としても見ていて、彼をちゃんと1人の人間として見ていた。最初彼女もだいぶツンツンしていたからいじらしいなあと思う。意外に登場人物の中で一番良い女説が私の中にはある。涼と良い友人関係を築いて欲しいなあと思う。彼女たちの未来が一番見てみたいかもしれない。奈緒と参道が騒いでいる傍で優しく苦笑していそう。

涼は言葉遣いとか男勝りで、でも、情に厚く友達思いで、奈緒に振り回されながら見捨てられずにちゃんと付き合っていて、良い人だな……と思うんだけど、というか、だからこそ、もう少し明確にセリフを言って欲しかったかな……と(苦笑)ただでさえ皆早い上に涼はそれに拍車をかけてまくしたてるキャラだから、もはやいつも早口言葉を言っているのか並な感じで難しいけれど、一番良い事言っている回数多いんじゃないかというキャラだったから言っていることはきっちり伝えて欲しかったかなと思う。

美智留は登場人物というよりも思い出の象徴みたいな人で、女神?みたいな。蔵前と美智留が髪が明るいから、兄妹?と思った時もあったけれど、そういうことはなかった。
食べ物を要求しているところが可愛くて、蔵前(実際は本郷なんだろうけど)が給料日前……と困らせるやりとりが微笑ましい。

医者として見守る立場にいた向原と乃木坂。
向原は実は一番よくわからなくて、医者として冷静過ぎるくらい冷静で、プロジェクトにこだわるメンバーとは違い、人道的に記憶を返すこともちゃんと考慮していて、月島には脳がどうなっているのかわからないんだからと夢を見させるようなことを言う。距離をとっているようで、むやみに突き放す訳でも無くて。悪意を感じなかった。ちゃちな言葉を使えば悪者じゃないとどこかで感じていたような気がする。
それで言えば、こんな話をし始めて何かを企んでいるような乃木坂も梢を害するという感じはしない。どこかお茶目でユーモアがあって、真面目で、誠実で、静かに相手の心を映すような目で見る。
でも、月島が梢が何度でも会いに来てくれるという約束をつぶやいた時に取り乱すのを止めた時は、仮面が外れたような気がする。彼は梢の前では演じられるけれど、月島のこととなるとそうはいかないのかもしれない。きっと手塩にかけて育てた助手だから。

と、それぞれを見ていくと、不器用で弱いのに、そのことを見ないふりをして、今だけはと誰かを大切に思うことは共通している気がする。
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幸橋

Author:幸橋
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ボイスドラマ・ドラマCD作品の感想メイン(時々舞台など)

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※私的メモなのと気軽に聴きたいという理由から作品名だけの記事や感想が不親切な記事も多数
※感想が無い・雑でもご容赦下さい
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な感想が多くなる傾向があります

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