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ハンマーヘッドシャーク×LUCKUP【TRUMP】

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※感想が不親切、というかメモだから意味不明
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な部分も有り

***
吸血種が人間での思春期である繭期になると入れられ教育をうける施設クランで吸血種と人間の混血ダンピールのソフィは吸血種のウルに出会う。

♠チーム
ウルがトランプについて書かれた本を愛おしそうに抱きしめるのが彼の本性が見えて一番ゾッとする。
笑って本心を隠しているのか、もうおかしくなっているのか、別パターンも見てみたいけど、こういう演技の仕方にぴったりの役を当てはめられたからどうしようもないかな。なぜ演技を絶望の方向に振り切らなかったのかが個人的に気になる(それは選択肢になかったのか、あったのなら、なぜ笑顔に押し隠し狂う方を選んだのか)でも、絶望していたらあんな行動はしないか。
ソフィは短命なのに落ち着いているのが感覚的にはまだ腑に落ちてきていないけど、望まなかったというのが正しいのかな。絶望しないように何も望まない。ただ、自分がダンピールで短命だから、親がいないからと可哀想だと思うのも思われるのも嫌だというプライド?は持っていてそれに従って生きているのかも。
逆にウルは希望を捨てられないから、絶望と希望との間で気が狂う。
ダンピールを否定する言葉は、彼の心臓もさしつらぬく。短命さとデリコの家系の恥という責めが彼の精神を削る。
ラファエロはウルを心配してずっとウルを守らないとと言い続けるけど、それはウルそのものよりも父親、父親が体現する家系の誇りを守りたい、守らねばならないという脅迫観念が、ウルを守るに集約されたのかなという気がする。ウルがダンピールというのがばれてもはや彼を守る理由がなくなっても執着するのはだからなのかなとか(常軌を逸したのも、思考が働いてない?)それでも、いつもウルのピンチを助けたのはやはり彼で、良い兄ではあったと思う。
お父さんもダンピールということは人間の女性と関係を持ったということだよね。長男が生まれた後だから、アレンのように若気のいたり(だけだとは言わないけど)彼も固定の誰かでも人間に愛があったのかな?
キャラの説明が始まってだいぶ経ってから始まるというのもあるけど、役の把握がしづらい一番の原因はアレンとピエトロで、みんなが集まるときには出てこない(アレンのサボりぐせのせい?)と思っていたけど、出てきてもどちらとも普段とは違ってメガネかけているし、でも、メガネくらいだったら他の人もかけたりはずしたりしているしそこまで気にすることはないか?それよりもピエトロのあの目立つ耳あて?はキャラの見分けのために付けているんだったらどうしてみんなが集まる場所では付けない?とはてながずっと浮かんでいたけど、そうか、時代が違うのかとしてやれた感じ。クラウスがアレンを探し回っていることを誰も変に思わないのは、アレンと名付けられた猫を探していると思っているのか。
内容は本家?のものよりも省略バージョン?みたいな噂を聞いたんだけど、未履修の私には判断ができない。どちらにしてもかなり単発な事象の組み合わせという感じがある、系統だって、論理的にストーリーが流れているわけじゃない。誰かの誰か(何か)への執着のシーンの重ね合わせ。だから、全体の流れで把握しようとすると、結構唐突な展開は多いし。これは演じている人はどうやって全体通して設計しているのだろうか。そういう緻密に設計するタイプよりも1シーンという名の箱の空間と時間を目一杯使って感情豊かに彩った者勝ちという気がする。それを言うと計算してないみたいだけど、それができていたのが、アレンだったのかなと。まあ、設定としても美味しいキャラではあったけど、彼の時間の使い方?流れ方?は他の人とは違っていた気がする。
届かないもの、叶わない願いを象徴する星に手を伸ばす時間は他とは違う。
でも、主人公でありストーリーテラーだから話の軸というやりやすさはあるだろうけど、ソフィは全体通してちゃんと流れになっているなあと思う。最初は近寄ってくるウルを拒絶して、孤独でいようとする(望まないようにする?)でも、いつの間にかウルのいる場所に当たり前のようにいて、ウルを友達だと呼んで、自分を望まない不死の体にしたクラウスに助けをこうくらいにウルに生きていて欲しいと望む。
ウルが最後に捨てられない願い(生きたい)とソフィと友達でいたいという願いで後者をとる(前者は捨てたわけではないのは直後にクラウスに不死を望むのからもわかる)感情の爆発があっておおと思う(それまでがちょっと感情がバタバタしてしまったかなという感じはある、意外に静の演技が苦手?)あんなに不死を望んでいたのにウルが最後に望むのはソフィに生まれ変わりたい、ダンピールだけど、ただのダンピールではなく、短命でも誇り高く、不死などいらないと言い放つ強い(本当に強かったのか?でも、ウルはそう思っている)ソフィになること。死に際だけど、あの時の彼が一番正気で一番幸福そうだ。
ソフィは最初と最後で感情の変化があるからわかりやすけど、その分、最初は少し物足りなさはある。最後のために抑えているのであれば仕方ないけど、何かやりようないかなとは個人的には思う。自分とあまり変わらない年齢の役者さんなのにちゃんと少年で、少年ならではの感情・感覚のシンプルさがある。(最初に出てきた時も感情がシンプルなんだけど、あれはシンプルというよりも風化かな)大人になると変な複雑さが出る。代わりにその複雑さを持っていたのが臥萬里だったから、並んでいると比較しやすい。彼はいくつ設定なのかな、十代?
ピエトロもアレンへの執着があって、クラウスに敵愾心?という程ではないけど、警戒している節があって、クラウスもアレンに執着があるのは見ていてわかるから仕方ないか(恋敵的な)と思っていたけど、臥萬里と同じくクラウスの存在を知ってのことなら怖いもの知らずというかそれだけアレンが大切だったのか(だから、アレンの危機で自分ではどうしようもない時にクラウスを頼ったのか)
アレンもソフィも不死を望まない。ソフィはどうなのかわからないけど、アレンはクラウスを見ていて幸せそうに見えなかったというのも望まなかった理由なのかもしれない。同様にクラウスも自身で不死が幸福だと思えていない。そして、孤独だからだけじゃなくてちゃんとアレンを愛していたんだろうなというのは言葉で不死を願えと言っていたのに、アレンは命令に従わなくて、それは、イニシアチブの力を使わなかったから。本当にアレンが望んだものだけ叶えてあげたかったから。でも、ソフィに願わない不死を与えたのはアレンを亡くしておかしくなったか、やはりアレンだけを愛していたからなのか。

衣装はきちんとしているのに、舞台の台の処理が雑で、剣が折れるようなやわらかい素材で(安全性もある?)ランタンも手作り感がある。衣装以外はお金かけてないなあという感じがしたから始まる前から直後まではちょっと不安だったけど、照明と音楽大事だなと思う。
後ろのカーテン開けっ放しにすると後ろのドアがチラ見えするのは少し残念だけど(隠せなかったのかな)セットしてみて気づいたなら仕方ないのか。それともあそこからはけるから布とかで隠せないということなのか?
ちょいちょいコントを挟んでくるのはこの劇団の演出?クランの説明が多くて少々だれるところもあるので(元の脚本もそうならどうしていたんだろう?)笑いを加えたのかもしれない。でも、真面目に落とすところが前半ちょっと弱いかな。一言で落とすみたいな力技ができる役者さんが少なかったかもしれない(力技発揮できるセリフも少ないと言えば少ないけれど)やっぱり盛り上がったのは全体的にシリアス展開になってからだった。
盛り上がって絵になるような展開や関係性に持っていくのはうまいなと思う。女性ファンが多いと聞いたけど、これが見目麗しい男性陣がやったら確かに女性ファンがつきそう。
アンジェリコの役者さんは別舞台で見たことがあるから、ああいうやりすぎなくらいなコテコテな感じが確かに合っているなと思う。1人だけ浮かないかなというのだけ心配だったけど、意外に爽やかシンプルな感じの主人公と品行方正なすましたラファエロと対比になっていた気がする。彼もラファエロを目の敵にしていたけど、消したい訳ではなくて、生きて自分の下に服従させたかっただけで、それもある意味執着かと思う。彼自身も自分はラファエロを排除したいと思っていた節があったのかな?だから、死んだ後にあんな無自覚な損失の表情をさらす。
ジョルジュとモローで良いのかな?アンジェリコの手下状態のような彼ら。使い勝手よく笑いをとっていってくれたけど、欲を言えば、今やっていることが自分の意思なのか他者(アンジェリコ)の意思なのかがわからないというのをもっとがっつりやってほしかったな。彼らの哀愁、彼らの業はそこにある。絶対的なイニシアチブとは関係なく元々彼らの行動は本当に彼らの意思だったのか。その落差にあのおどけたコントが入るならそれは確かに有りな気がする。彼らの生き方そのものが道化だから。
デリコ兄弟の父親は本当はもっと複雑な役な気がするけれど、前に出てこれないからなあ(人間と子ども作って、それをラファエロに押し付けて、情緒不安定なクラウスの存在を知っている。100年前の悲劇も。それを見てもなお人間と子どもを作るのか)
先生二人はミケランジェロはああいう男性がゆったりした女性的な動きするのを見るのは好き。グスタフは鬼教官みたいな状態よりもミケランジェロに手球に取られているくらいが良い。

舞台が近すぎていつもの人の目を見れない癖が大発揮だったから、最初の方がちゃんと表情を見れていなかった悔しさ。あんなに近いとは思わんかったんだよ←

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♡チーム
と追加で♠チームで思い出したこととか(分けて書けるほど器用ではない)
今更ですがTRUMPシリーズ未履修なので、他の作品で明らかになっている設定とかなんやかんやは全く知りません。これだけ見ての思ったこと。
女性がやっているけど、基本、セリフは同じで姉とか妹とか母になる訳ではなく、兄、弟、父だったので、見た目が変わっただけで、設定は変わらない。
アレンが女性なら、相手妊娠しているのどうするんだろう…アレンが産むとしたら、まるっと変えないといけないけど……と思っていた心配は無用でした。
女性のソフィ役の方は別の舞台でどちらかというと笑い担当だったので、最初に出てきたときの魔女のような雰囲気は新鮮。ああ、そんなアプローチで来るのかと。男性チームのソフィは摩耗した感じがあるけど、女性の方は年月を積み重ねた闇を覗き込むような感覚がある。
男性よりもウルに対して歩み寄る感じがある。特別壁を作って突き放すのではなく、無駄に馴れ合わないけど、通常のコミュニケーションはとっている感じ。自分だけで生きていけるというのはない。むしろ、自分の弱さをどこか自覚している風でもある。女性な分変な強がりがなく、現実主義で状況を把握している感じがあるのかも?と言うと男女のイメージを勝手に固定している感じがあるけど、でも、ソフィに限らず男性チームとの差は、もちろん役者さんのアプローチの仕方が違うというのもあるけど、自分の中の男性と女性それぞれへの偏見が印象を変えているのかもしれないと思って、面白い発見ではある。
たとえば、ラファエロとか。私が色々セリフが抜け落ちていたとかもあるけど、どちらかと言うと男性は家名と父に縛られている感じが強かったけど、それは男性が地位名声(までいかなくても他人からの評価)を女性より比較的気にするという私の偏見が出ている気がする。一方で女性はもちろん家名に縛られている感じはあるけど、弟個人に執着をしている感じを受ける(だから、セリフにはないのに、デリコ家の嫡男であるプレッシャーの中で、自分だけが味方になってやれる、守ってやらないといけない弟が心の拠り所だったんじゃないかな、なんて妄想してしまう)
女性のウルはナイトっぽい。男勝り(いや、役柄的に男なんだけど)というか、女性のソフィがあたりが弱くて、ちょっと儚げだから、守っている?感じはある。男性の時はウルの一方通行だったけど、思いの厚み?量?に違いはあるものの女性の時は2人向き合っている感じはある。だから、男性の時はすんなりだった友達への過剰な拒絶がちょっと違和感。でも、やっぱりある程度認識していても、自分の弱さをさらけ出す友達という存在は遠ざけておきたいのかな。ソフィの弱さ、寂しさに直結する「友達」という言葉。
ウルが強いのは彼の弱さの隠し方が女性の方が強さだから。男性は笑顔とそれによる(表面的な)幸福さ。
ああ、そうかだから、TRUMPという存在に対して仮面が外れた時、女性のウルが見せたのは弱さ、嘆きで、男性の方は崇拝、従属、憧憬なのかな。強いなら、幸福なら、必要のないもの。
アレンは男性の不思議さ、見ているもののずれよりも、女性の方は純真さ天真爛漫さが強い印象。男性が静かに流れるような感じで女性がリズムを刻むような感じ。どちらも停滞し、飽いた人生を送るクラウスには眩しくて、生を教えてくれるもの。ダンスシーンでクラウスが笑顔になるのが、この瞬間、彼は生きているんだなと思う。クラウスがアレンなのかソフィなのか、それとも彼らが体現するクラウスの欲しいものに手を伸ばすシーンはとても美しい。一度は手を伸ばしかけて諦めたもの(あのバンザイにそんな深い意味があるなんて)を最後に手に入れるのは彼にとってなによりも幸福なんだろうけれど、溢れ出したその欲望と業に目眩がする。
男性の時は懲罰房にいる時は悲しさが多くて、女性の時は何としてでもいかないとという強さ?覚悟が目の光に見える気がする。
2度目になるとここは伏線だったんだなというところがよくある。なんでクラウスがピエトロにここにいるのかと尋ねるのも、TRUMPでピエトロがヴァンプではないと知っているから。クラウスがソフィたちがいる時代でアレンをを探して、でも、アレン役の方を素通りするのも、メガネをかけている彼はアレンではないという意味(クラウスがおっちょこちょい?だからではない)だし、ソフィの命令に皆が従った時も、あの場にはクラウスがいた。
ピエトロのアレンの服を整えてあげているのが地味に好きで、お母さんっ!と言いたくなる。こう身長差があるからなのか尚更。手がかかる子供の面倒見ている感がある(笑)
女性のアンジェリコは花で触れながらミケランジェロを言葉責めしているのと、ラファエロを焦がれるように呼ぶところが好きですね。アンジェリコにしても女性の方が自分の思いを自覚しているというか、思いに対してストレート。女性の方が複雑でわかりづらいと言うけれど、ことこの作品に関しては女性の方が自分自身に真っ直ぐなんじゃないかなという気がしてくる。
ジョルジュとモローは大きな悪意があるわけじゃない。自分より下を使って優越感がほしい小物感、でも、チョロチョロしてるのがコミカルてま可愛らしさもある。臥萬里は絵に描いたような気難しい東洋人。ニヒルな笑みを見せる。
不死を与えられてソフィがあんなにも恐慌に陥るのは、臥萬里が言うように、ソフィが寂しがり屋だから?本当は誰よりも1人生きることに、孤独に耐えられないから?だから、不死なんていらない。本当に恐れていたひとりぼっちになってしまった。なら、クラウスはそれを与えた憎むべき相手であり、何千年を生きる彼の孤独を唯一癒やしてくれる焦がれる存在でもあるのかもしれない。
先生とデリコ卿は何だか女性の方が躊躇無しでフリーダムな気がする。ミケランジェロ先生の常に花持っているのとかちょいちょい、いや、素直に舞台からはけてください(笑)というのとか、グスタフもちょいちょいおちゃめなところ入れてくるし、デリコ卿はもはやフリーダム中のフリーダムだったし。ウルおつかれ様でした。気苦労が耐えなさそう。
ミケランジェロは臥萬里相手にだけ冷たい視線だったのが、皆に対して博愛な対応だった彼女からすれば確かにおかしかったんだなあと、彼が人間であるとわかってから思う。
デリコ卿は自分が生み出したダンピールである我が子ウルの前でダンピールを悉く否定し、どんな心情でそんな言葉を吐いているのか。実はウルという存在をほとんど見てない?ラファエロも望まれぬ子どもだったというからには人間との関係も実はそこまで愛があった訳ではない、気まぐれだったんだろうか。愛があれば、何かしら罪の意識がありそうなものだけど。そう言えば、恥さらしだってダンピール本人であるウルではなく、その秘密を守りきれなかったラファエロに向けたものだった。良くも悪くも本当はウルはデリコ卿の視界に入ってないのかもしれない。

男性版をもう一度観に行ったので、細々とした追記。
風化、摩耗と書きながら、実は最初のシーンのソフィを言い表してない気がしてもやもやしていた。ネット上にある別のTRUMPのOPを見た。きっとあの場面は極度に感情を抑えて抑揚なく話す。それが通例通常の演出。でも、ただ平坦、無感情の何も籠もっていない人形のような話し方とは違う気がしていた。1回目と違ってちゃんと目を見て、なんとなくそうだったのかと思ったのは、彼の思いが向けられた先は何千年前のクラン。ウルたちがいる時代のクランで今現在は素通りして果てしない長い時の向こうを見ている。だから、感情はここには無く、かと言って、存在しない訳でもない。最後にまた現在に戻ってきた時に感情が生々しいのはさすがに直前のシーンからの切り替えが難しいという技術的なものか、話すことによって感情が生々しさを持ち始めたからという設定なのか。
ここもそうだけど、2回目を観て印象がだいぶ違ったのはソフィだった。拒絶して壁があるというのはたぶん私が補完したイメージではなく、実際そうだったと思う。でも、今回見たソフィは、確かに変わらずウルの一方通行だったけど、拒絶ではなく、……逃げているみたいだった。ウルの好意から逃げている。彼が一歩近づけば、その分後ろに下がる。それは拒絶よりももっと弱々しい自己防衛な感じを受ける。友達を避け続けて友達が何なのかすらわからなくなっていた彼に、ただそばにいる、それが友達なんじゃないのかと臥萬里が教える流れは好きだな。優しいシーンだと思う。
それで言うと、ラファエロも印象が少し違う気がする。彼もだいぶデリコ家の跡取りとしての振る舞いを鎧のように身にまとう人だったけど、ウルのことになると感情的というか脆さをさらけ出すようになった気がする。愛情。
そう思うのは私が多少なりとも彼の情報を得たからなのか、それとも変わったのは私ではなく、相手の方なのか。
関係ないけど、ラファエロはアンジェリコが「お友だち」でソフィとウルを襲ってきた時になぎ倒すのが毎回かっこいいですよね、あれ。
ウルは印象が変わったとは違うけれど、言動が目の端にチラチラしなくなったかも?精度が増したような気がするのは気の所為ではないと思うんだけど。ソフィを刺せなかった時の慟哭は息を呑んだ。彼の言葉でこのままダンピールとして死にたくないという言葉が残る。ただ死にたくないんじゃないんだ。ダンピールとして死にたくない。なら、彼にとってのダンピールとは何なのか。クズ、汚らわしいもの、彼はそうずっと言われてきたのか、ただ、自分は生きて良い存在なのだと認めてほしかっただけなんじゃないのか。ダンピールという存在である自分をまとめて。ただ死にたくないじゃなくて。ウルは笑顔が多いけれど、そういえば、彼が笑顔を見せる相手は意外に少ない。実は彼はそんなに表面繕ってない?言葉通りの反応をするよなと当たり前のことを思ってたんだけど。繕うと言うよりも多幸感をコントロールができていない?……駄目だ、何だかドツボにはまっている気がする(苦笑)むしろ好かれたい者への強迫観念的なストックホルム症候群っぽいサムシング?
デリコ卿ならともかくラファエロがウルの前でダンピールを否定するのは実は違和感だった。彼がウルを否定するとは思えない。でも、それはダンピールとお前は違うという肯定だったのかもしれない。だとしても、ダンピールという事実は変わらないから、やはりそれが優しさだと思っているのだとしたらラファエロのエゴじゃないのか。
ウルの慟哭と呼応するようにソフィの永遠なんてくそくらえだという拒絶も血を吐くような叫びに聞こえる。それまでの永遠なんていらないなんて比べ物にならない、憎しみさえ感じるような。それはウルを、自分の大切な友達を狂わせたのが、永遠なんてものだからなのかとこの流れだと感じてしまう。
最初の人殺しの老人?誰がやっているんだろうと思ったけど(女性チームはデリコ卿役の方?だから同じくデリコ卿かなあと思っていた)男性チームはエキストラの方なんですね。初っ端の雰囲気を作ってくれるから意外に好きな登場人物だった。
ジョルジュとモローはちょっときついこと書いてしまったなあという負い目がないではないのですが、でも、なんだか、操られることに対してのあのセリフには悲哀を感じた。あの三文芝居も毎回違うのか、となると考えるのすごい労力だな(デリコ家秘伝の技は途中でやっと気づいた、そういえばそんなツイートあったなあ)
印象の違うキャラや解釈が迷走するキャラが多いから、もしかして、脳内補完が多いんじゃ……と危惧したけど、アレンの悲しそうな顔は覚えていた通りだったのでちょっと安心している。優しい子なんだなと思う。悲しみ以外負の感情がない。
舞台と全く関係ないんですけど、前列4席も空くってどういうこと?と思って最初冷静になれなかったのは残念ではある。前日に席指定で買ったから、空席じゃないことを知っている。のっぴきならない理由があるかもね、買われているんだから良いのかもね。でも、目の前にごっそり空きがあるって普通人情的に嫌でしょとか思ってしまって余計なことに感情振り回されたのは、お前もまだまだ人間できてないなあ……と思ったりする。
あと、前列壁際の席はライトが顔に当たってめっちゃ眩しい(笑)あ、ここでこうライト入れてるんだなあというのはわかっておもしろいんだけど。


男性版の千秋楽を観てきました。
言葉にするとほんとに陳腐なくらいにありきたりな言葉で。最後だから、思いが込められていた。まとめてしまえばそんな言葉になってしまう。でも、胸の内から広がったざわつきや鈍痛やもどかしさは、腹の底に喉の奥に、腕と足を伝って指先、足先までまるで全部鉛にでもなったかのように重くて、体を引きずるように帰ってきた。
感情が染み込んで体が重い。その言葉の通りだった。胸の内と書いたけど、私の中からそんなものが生まれるはずがなくて、舞台から流れてきた空気に溶け込んだ感情を吸い込んで、私はこんなにもどうして良いのかわからない。
伝えたいのに、もし、あの場で直接言うとしたらどんな言葉になるだろう。「すごく良かった」それが最初に頭に出てきた瞬間に、直接言いたいという感情が冷えた気がする。
なんて白々しい言葉なんだろう、私が言うなら尚更のこと。真実を真実のままに伝えることができればいいのにと思う。
最初はどこだろう。ソフィが弱さとも強さとも違うところで揺れる感じがした。ウルを遠ざけようとする時に。彼自身もわかってないようで、持て余した心に苛立つのが本当に思春期の少年のようで。でも、襲われた時にウルを庇い、壊れかける彼を気遣い、彼を守ろうとした時には大切なんだと友達なんだと自覚していたんだと思う。
デリコ卿のラファエロを呼ぶその瞬間の声が優しかった気がした。その分、ウルの秘密を守れなかった時、その叱責は抑えられないくらいの怒りといらだちを含んでいて、恐かった。それでも、最後の呆然と崩れ落ちるクランを見ながら呼んだラファエロの一言だって、どうしてこんな場でそんなに優しい声なんだろうと思う。ラファエロはもう格式高いデリコ家の嫡男の仮面をかぶるのをやめたらしい。ウルを呼ぶ声はただひたすら愛情深くて、彼自身がその愛情の深さに振り回されてコントロールがきかない。
臥萬里は部外者のような顔で入ってきたのに、いつの間にかソフィへの笑顔は優しくて、ラファエロを殺したクラウスへの糾弾は彼の役割以上に私情が入っていた。ソフィたちといることが悪くない、居心地が良いと思い始めた矢先にそれを潰される。アンジェリコはは本当にいつだってラファエロばかりで、ウルの真実だってウル自体を蔑むのではなく、ラファエロを傷つけるために使う。なのに最後に彼を呼ぶのがそれまでのどんな時よりも痛切で、殺したいと生きなければいけないというセリフが並びながら矛盾は感じない。彼はラファエロが欲しかったんだろう。ジョルジュとモローがひたすら道化で、その役割に徹した時は逆に笑えなくなるんだなと思った。道化は行き過ぎると悲しい。滑稽で、大きな逆らえない神や運命に振り回される姿は、生きているものそのものでしかない。
グスタフは本心を言わないように見えていたけど、議会なんて関係ないという一言に気づいて、この人は権力なんて関係なく、クランと生徒を守りたいんだなと、彼の教師としての責任感と生真面目さと生徒への情を感じる。ミケランジェロはいつにもましてフリーダムだなと思ったら、お母様が来ていたようで、すでに色物のキャラなのにそこにプラスオンしてくるのがすごいなあと。
ピエトロがクラウスに助けを求める声は弱々しいのに、これまでの中で一番必死で、アレンと雨を避ける姿は楽しそうだった。同じ人間に殺される非業の死をとげるけど、彼は命令以上に大切なものを見つけたんだろうと思う。
ピエトロが怯えるくらいにクラウスのアレンを死なせないという言葉はいつものように空虚なのにその奥にある燃え始めた欲望が恐ろしい。アレンはルルミナのところに行こうとする時に男の顔になったなあなんて思ったりする。ルルミナのところへと願うところと星が見えないと言うところは号泣するよりもその涙が痛くて、懇願なのにそれは脆弱じゃなくて、何度使ったかわからないけど、優しさなんだろうと思う。だから、悲しい。ただただ欲しいものを願い、それを叶わないことを恨むのではなく、寂しいと思う。誰かの行動や報いに寄らない、純粋な欲しいという思いは、こんなに切ない。
始まりは誰だっただろう、なぜかこの感覚には似た覚えがあるんだけど…ウルがダンピールなんだと言った時、彼が自分を繕う笑顔の仮面がはがれて、死にたくないと叫ぶ時の力はラファエロが本気で押し止めるようで、一方でデリコ卿の前の幽鬼のようで。それを見た時に、改めてこれが最後なんだと思った。最後にソフィを殺そうとするのはもはや段取りなんてあってないように絡み合って、刺せずにソフィの頬を撫でてそこにソフィが手をそえる。その後の叫びはなんと言い表わせば良いのか。生きたい。彼にはそれ以上のものがない、彼を狂わす程の欲求、それを否定しても守りたい友達。生きたい、殺したくない、死にたくない、友達でいたい。もはや思いではなく衝動のような叫びで、その後だから、彼の必死の願いにさえ揺れ動くことなく通り過ぎるクラウスは運命のように残酷だ。
ソフィがウルの手をすがるように何度も握り直してこんなに離れがたく思っているのに残酷なまでにウルの命は消えていく。
もはや最後までTRUMPを詳しく調べずに何も知らずに見てきて、それが正しかったのか、知識があれば、もっと違う楽しみ方ができたのかもしれないけれど、もう今見えるものだけでいっぱいいっぱいだからこれでいいのかもしれない。
これが出せるなら最初から、なんてことは思わなくはない。でも、どうなんだろうか、最初から今まで整理整頓してきたものを壊して感情のままにというのが、正しいのか、実際に舞台で生きて積み重ねた感覚を最初からというのが可能なのか、生きている人間がその場その場で生きるからこそで、毎回変わる印象が舞台の楽しさでもあるように思う。見慣れた舞台に比べれば長い期間それでも男女それぞれでは10回に満たない回数だけ現れる世界。セリフではないけど、ヴァンプからすれば瞬き程の時間だけど、誰かが覚えていればその世界は永遠になれる。数千年生きるソフィがあのクランの短い日々をずっと思い続けるように。だから、一時の夢幻の虚構の世界に何の意味があるんだとはもう思わない。

シャッフルQUEEN
男女混合のQUEENとKINGの内、QUEENを観てきました。これはクラウスの性別に合わせているんだよね、たぶん。
なんだかんだ女性版は1回だけでしたので、断言はできませんが、そりゃ、もちろん稽古数も本番で積み重ねたものも違う組み合わせ、精度は昨日のものの方が上でしょう。だから、逆にこれまで出来なかった、この組み合わせだからできる遊びをしているように思いました。ちょっと期待はしていたけど、まさかのデリコ卿がフリーダム過ぎて(笑)あれ以上にフリーダムにできるか?ってくらいフリーダム。鍛えられているのか息子たちの適応能力がやばい。あれをアレンジして真似するウルも、いきなり舞台上で打ち合わせ始めてちゃんとやるラファエロも。去っていくウルに兄はやったぞの一言はずるい(笑)組み合わせが変わって一番、どうするんだろう……と思っていたジョルジュ・モローは、あの身長差を生かして別のことやり始めたり、三文芝居はモロー一人で、これは滑らせてはいけない!みたいな観客席の一致団結した空気を感じました(笑)ラファエロが笑っているのを見て、改めて男性版ラファエロずっと笑わなくてすごかったんだなとそんなところでお兄さんの偉大さに気づきました。
流れてくる他の人の感想見てもあるように、女性はしなやかで美しくて、殺陣というか剣を扱うところはデリコ兄弟は女性の方が優雅でキレがあるように感じます(素人目)お兄さんが麗しかったなあ。育ちが良さそうな雰囲気がにじみ出ていました。なのに、一番遊ばれて……いや、臥萬里かな、遊ばれていたのは。何かあるたびにチビと言われ、男性が入ってきたから尚更小ささが際立つ(笑)捕まったとか俺も逃げるとかちょいちょい笑いをとってくるし、女性版は美しいと同時に可愛らしい動きを持ってくるなと思います。役柄的には男性ですが、女性らしさがあってこその女性版の良さだったんだろうと思います。ウルもたぶん女性版はここまで遊んでなかったと思いますが、アンジェリコで遊んでお茶目だなあって(笑)アンジェリコちゃんと対応して偉い!フリーダム時間以外一番アドリブ必要だったんじゃないかな←
臥萬里をチビと呼んでいたからではありませんが、このシャッフルでのソフィがとても幼いように感じます。本当に青年ではなく少年という感じ。見た目が小さな女の子の臥萬里に言いくるめられ、それを言い返す姿もそうですが、ウルとのやりとりも幼くて、彼の感情がシンプルだと書きましたが、それよりももっとあどけないというか幼いというか。最後のウルがソフィを殺そうとしてそれが出来ずに二人して泣き叫ぶところなんて、まるで言葉に頼れない幼子が泣いているよう。男性版の時のソフィが高校生なら、シャッフルでは中学生にでもなったような、より感情的でもあったように思います。女性版のウルが抑えた悲しさを訴えることが多かったから、感情の発露をソフィが引き受けているようにも見えます(ただ、最後のカーテンコールを見ると案外こっちが素?なんじゃないかと思ったりします。優しく見守られている感じ。そんなソフィに立場的には守ってフォローしてもらっていた男性版ウルはどれだけ弟キャラだったんだろうか←)最後ウルが死んでいくところでは、ウルはダンピールの運命を呪ったと言っていましたが、まるでそんな様子がないくらいに、一体どちらが死んでいく方なんだろうとわからなくなるくらいに優しい笑顔をしていて、本当に優しい子だったんだなと思います。優しくて繊細で、誰かを傷つけるよりも自ら先に傷ついてしまう子だったんだなって。
KINGがすぐに予約が埋まってしまったというのもありますが、QUEENを選んだ一番の理由はアレンとクラウスの組み合わせが見たかったからです。男性版クラウスはいつも白昼夢を見ているようでぼんやりとしていましたが、女性版のクラウスは感情豊かで現実を見ていた、少なくとも見ているように演じる事ができた。女性版のアレンとはまるでじゃれ合う少女のようでしたが、シャッフルでは保護者で母親のようで、でも、アレンの真っ直ぐな言葉に主導権が逆転する。男性版クラウスはだんだんと感情を取り戻して、ソフィを友とするけれど、女性版はギリギリで保っていた理性を最後のひと押しで切り落としたような血反吐吐くようなアレンに愛憎すら感じるような叫びだった。
アレンとピエトロも最後だからいつも以上に自由に遊んでいて、それでも合わせられるのはずっと一緒だったからかな。でも、ピエトロが案外一番適応能力があったような気がしないでもない、感覚的に。クラウスへの接し方がなんだか違う気がする。懇願する時にも苦渋のようにしていた男性版と違って、まるで女神に懇願するような。ああ、確かにそっちの方が女性クラウスにはしっくりくるなあと思ったりする。
今日はお祭りだった、そう思って油断していたら、最後の現在のソフィが声をつまらせて声が震えるところが不意打ちでやられた。ずるいなあ。なんでここで千秋楽の空気を持ってくるんだ。

これで最後です。私が考えた彼らがどれくらい合っていたかわからないけれど、別に正解を出したい訳じゃない。私がもらったものを記したかっただけ。私が見たクランを記して終わります。
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幸橋

Author:幸橋
視聴した作品のメモ
ボイスドラマ・ドラマCD作品の感想メイン(時々舞台など)

【注意】
※私的メモなのと気軽に聴きたいという理由から作品名だけの記事や感想が不親切な記事も多数
※感想が無い・雑でもご容赦下さい
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な感想が多くなる傾向があります

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