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黙祷-Silent Prayer-

星乃はぐ主宰公演vol.1
「黙祷-Silent Prayer-」
「死」にまつわる5つの短編集

​脚本/演出 白井ラテ (青色遊船まもなく出航)

キャスト

星乃はぐ
米川塁
菊地智春
枝窪純子(白鳥歌舞喜)
三枝ちえ(株式会社CROSS CALL)
草梛祐史(劇団GAIA_crew)
深月要(KOTEN)

※感想が不親切、というかメモだから意味不明
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な部分も有り

***
蜉蝣
短編の深堀りは苦手なんですが、物語に書くしかないですよね。
初日の一発目だったのか、少々苦手な役どころだったのか(他の役はそこまで違和感はなかったので)女性に感情と動きに少しズレがある違和感。乖離があるというより、ワンテンポ遅いとか、近すぎるとか遠すぎるとかそんな感じ。どうしてその動きをするのか気持ちが置いていかれた違和感。ただ、雨の日だったらどうするの?と老婆を見下ろすところは何だか様になっている・・・というとちょっと違うな。迷いがない感じがする。
老婆の何かできなければ、生きている意味がないのか、には同意?ことんと落ちてくるものがある。生まれたからには何かを成し遂げる方が良いだろう。何かを残すのが良い決まっている。でも、何までやれば、何まで残せば、生きた意味があるといえるのだろうか。そこまで考えて女性は、蜉蝣になってただ迷いなく死まで一直線に生きたいと願う老婆を否定して見下ろしていたのか。どちらが正しい間違っているとかはないんですけどね。
最後の落とし方もちょっと外した感があるんですよね。なんか、どんな感じの空気にしたいのかちょっと曖昧な感じ。生きてて良かったと空気を和らげたいのはもちろんなんですが、観客にどう思って欲しいのかという目的があいまい?言葉にしづらい(苦笑)

浮世
ギリギリまで考えたんですよね。これは二人にしかわからない生死の判断を部外者が土足で踏みにじっているのか。それとも、踏み込むのを恐れ小鳥に失望されるのを恐れた矢部が小鳥のことを知ったふりして、殺してしまったのか。でも、LINEでの姉との楽しそうなやりとりよりも、本名そのままだと彼女は言っていた小鳥という名前が本名とかけ離れていたという事実で、後者だと思った。別にSNS上でのやりとりだけがダメというものではなくて、矢部が守りたかったのは彼女の心ではなくて、自分の彼女に嫌われたくないという心だったというだけ。
食べるものも、見る映画も何をするのかも決められず、生死すら決められない彼女。矢部のことをやべっちさんと呼べば良いのか、矢部さんと呼べば良いのかすら、矢部の様子を伺うのが、彼女の優柔不断さがわかる。
矢部に生死を決めてほしかったけど、その実、彼女にも望みがあった。
夕飯にするか、ここで終わりにするか。何か食べに行こうと矢部に言われれば生きる方を選んだ。

邂逅
物語の中では一番コメディチックな話ですよね。生きる目的、理由がなくなった男性が元カノとのやりとりで勢いで自殺する。幼い頃に事故死した両親が出てきて、夫婦漫才のような二人のやりとりを見ながら、最後には父親にもっと自分の成長を見て愛したかった。それが叶わなかった自分たちの代わりに自分自身を愛して欲しい。なんて涙ながらに言われるけど、育ての親である祖母と死後の世界でトルコのラクダに乗ると言ってあっさり三途の川を渡ってしまう。
生きるよりも死んだ方が楽でその人のためなのではないかというテーマをラフというか気楽な雰囲気で描いている。言ってはなんだけど、そういうものなのかなという気がする。生きるべきか死ぬべきかって実はこんなもの、こんなノリで決まってしまうものなのかもしれない。それこそ、生きる目的、楽しみも感じない世界で生きるなら。別に生きるのが苦しいなんて大層な理由がなくても。ある種の真理だなと笑って三途の川を飛び越える彼を見て思う。なおこ?元カノと電話をしていた時の彼の言葉や声は、この瞬間ですら何がしたいのかよくわからない感じがしたから。

架空
白井さんの脚本でこんなファンタジー設定のものは舞台では初なんじゃないだろうか。
刑事を小馬鹿にして自分をゴッドと名乗って、人の生死を手のひらの上で転がす役回りは1つ目の話で老婆を突き放して見下ろすのを見て合うだろうなあと感じていた。
邂逅よりもより冷徹に無慈悲に生きるべきか死ぬべきかを問う話かな。この話は生きるのは苦痛である場合だけど。
病を治す技術がないから、不完全な薬を渡すのではなく、本当は何でも治せるけど、人間たちはそんな神のような知恵技術に時におもねり、時に脅そうとするから、あえてそうしないのだという言葉は、特に思い入れも無さそうだけど、何よりも残酷な言葉だなと思う。反芻するとそれは確かに人間を必ずしも救わない神の言葉のよう。刑事に化け物とかした人を殺せる薬を渡して、ただ言葉を変えてほとんど神になってみるか?と唆しているような言葉は悪魔のささやきみたい。
ここであまりゴッドと刑事以外の登場人物は深く掘る必要はないと思うけど、ちょっと設定や言葉が表面的過ぎるかなという気もしないではない。病気が単純に肺や心臓系のものではなく、首から上の発疹とかゆみという点が、ちょっと屈折した嗜好を感じるけど(笑)

黙祷
一番長いこの舞台の主題にもなっている話。
言ってしまえば、誰もが、誰かとした黙っていて欲しいという約束を守り、そのために、誰も全貌がわからず、そのせいで2人の少女が死んでしまう。結局、教師の浜中はそれぞれの話から真実を知ることができたのか、そして、池野の言うように彼は約束を破って真実を話すことができたのか。
池野に言っていることからすると結局、誰もが口止めされた真実、隠されたピースを明け渡さなかったのか。
どこからが最初かと問われれば、口止めの連鎖はいじめっこの沼田が白波に思いを寄せたところが始まりだったのかもしれないけれど。
でも、本当の最初は、あれ、どこだったかな。浜中のセリフでうちに来るかと白波にいうセリフがあって、それで何か起こるのかなと思ったんだけど、それは本当は実際には言えなかった言葉で。きっとそれを言っていれば、進む道は違ったんだろう。
浜中が岸辺に白波に友達になってくれということも、そのせいで岸辺が沼田にいじめられることも、岸辺が白波にお金を渡すことも、そのことを言えずに池野が罪悪感を覚えることも、お金を渡すために岸辺が体を売ることも、その斡旋を浅利がすることもない。浅利は学校にはほとんど行ってなかったのに、先生から電話がかかってきて自分だけかと思ってちゃんと反応するなんてかわいいやつだな(笑)と思ったけど、彼自身のそういう子供っぽい寂しがり屋に加えて、岸辺と幼馴染で、だから、真実を知りたいと思ったのもあるんだろう。だけど、岸辺の名誉のためにも売春のことを言えない。
学級委員の湯浅も二人のために言葉をつむぎたいと言いながら沼田のことは言わなかったのか。池野に口止めした理由も内申のためだし、罪悪感と保身が矛盾している。巡り巡れば誰かの名誉のためと言いながら保身とも言えるんだけど。約束を破った時の罪悪感に勝てないから。
沼田は葬式の場所で白波の顔のことばかり言っていて、見た目が好きだったんだな、見た目が無事なら良いんだな(だから、立ち直りというか自分の幸せを掴むのも早かった)と思うと、いや、高校生でそれが好きな理由でもかわいいものだけど、なんだか、場所が場所だからゾッとした。
岸辺はなぜいじめられているのか、なぜ白波がお金が必要なのかもわからなかったのか。なのにずっと笑っているのは恵比寿様と言われて必要とされていた頃のなごり。笑っていれば誰かに必要とされるから。白波にごめんなさいではなくて、ありがとうでしょと言う時だけ声を荒げる。彼女のほしかったのはお礼の言葉、そこにある自分が相手の役にたったという思い。
死にたかったのはどちらだろう。最初に海に入って誘ったのは白波だけど、戻ろうと呼びかける白波に対して、海へ入って行きたがったのは岸辺で、死に向かっていたのは本当は岸辺じゃないのか。

ラファエルが岸辺の姿だったのは彼女の思いに引っ張られて、探していたのは白波の魂?
サリエルなんて天使の心を満たせるなんて、それこそ何もできなくても生まれた意味があったといえるのかもしれない。
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※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な感想が多くなる傾向があります

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