FC2ブログ

Entries

KIRA ~赤穂事件推理帳~

森田和正プロデュース

【脚本】藤森一朗
【演出】三好忠幸

※感想が不親切、というかメモだから意味不明
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な部分も有り

***
観たのはAチーム。

そこまで長い作品ではないし、歴史を扱うし、舞台設定も大正だし、自然な感じよりもかなりこてこてに作った雰囲気なんだろうなという予想をしていたので、実際その通りだった。
意外だったのは、Twitterにも書いたけど、夏目の力技。別に悪い意味ではないし、他のキャストが彼におんぶにだっこだったわけでもない。ただ、そういう印象だっただけ。何が起きても、自分が全部なんとかして最後までゴールさせる、それこそ誰かが倒れても。脚本を捻じ曲げようが、話を捻じ曲げようがみたいな。そういう感じの気迫?発作を起こした時の有無を言わせない物言いにそういうものを感じた。
奥さんのおきゃんな感じ?口うるさいけれど、明るくてしっかり者で、気配りができて、茶目っ気があって、望月さんが普段他の人に見せるような顔だなと思って、適任だなと思った。ちゃんと役を確認してなかったから、最初は恋人の女性側?とも思ったけど、こちらの方があっている。最後を見る限り彩夏でも良いなとは思ったけれど。
そういうのがあったから、夏目の発作で彼女に手を上げて怯え逃げ惑う様がなんと言えば良いのか、恐ろしいは恐ろしいんだけど、悲しくもある。こんな恐い思いを彼女は何度もしてきたのかと。でも、その翌日には何でも無いように笑って、夏目の菓子を取り上げている。本当に強くて優しい女性だなと思う。
夏目が良い体しているでしょというあれはアドリブか(笑)いや、確かに文化人にしては腹割れてるなあと思ったからついついうなずいてしまったけど、腹筋の数数えるとかなかなか生々しいことをさらっとぶっこんできたなあと。
長頼が笑顔を貼りつかせながらいつも彩夏の意向を伺うのを見て、こいつ、腹の中に本音隠すタイプかー、これまた新井さんの専売特許みたいな役が来たなあと思いながら見ていた。彩夏の方が身分としては高いけれど、別にへりくだる訳ではない。だから、こいつの隠している本音はなんだろうと思っていた。
やたら昔は昔みたいな発言が多い。長頼もだけど、彩夏も、こいつらは親や親族からそれぞれの家柄の意地?誇り?因縁?などを語り聞かされてないのだろうか、それとも、結婚したいくらいだから、それに反発しているのか?と最初は思ったけど、浅野が精神疾患だとか浅野に不利な仮説が出てくると長頼が侮辱だと腹を立て初めてからなんだか風向きが変わる。それでも、まだ精神疾患の話が出た時は、単純に祖先ではなく、その血を受け継ぐ自分にも関わることだから(特に母方のおじもまた乱心とか出てきたら、家系的なものも疑われる)から取り乱したのかと思ったけど、それだけでも無さそう。家柄が上の彩夏への劣等感の現れ?世が世なら貴族にもなりえた家系なのにという。だから、具体的な身分もないのに、相手を一般人を貶める。貴族の彩夏の方がよほど相手への敬意がある。
だんだん何でこの二人恋人なんだと思うようになる。最後彩夏が芥川に相談して良かったと言って、芥川が彩夏を侮蔑することがなかったからと言い、え、じゃあ、長頼は??と思ったら答えが待っていた。
劣等感どころか、彩夏に対して許してやっているという立場だった。自身の祖先にひどい行いをした吉良の子孫を、それでも愛する寛容な自分に酔っている。最初に余人の同席に伺いを立てたのも、彩夏の吉良の家系が悪だとすることに何の疑いもないから。自分は清廉潔白だけど、君は違うだろう?という本人は優しさだと思っている差別。
秋山はなんでいるんだろうと思ったけど、彼がいると全部収まるから使い勝手が良い(と言うとなんか感じ悪いけど)彼の言うことには夏目も、長頼も口ごたえできない。少なくとも感情的に接することがない。この二人を制御できれば、話は建設的に前に進む。秋山自身は節度ある人だから、彼が話の腰を折ることはない。切らずに刺すという話なんか文学ばかり嗜んだ彼らには思いつかない、軍人らしい観点だなと思う。
岩波は正直話の本筋にはいてもいなくてもどちらでも良い存在だけど、あの、憎めないお調子者の立場が、そこここでやっぱり空気を和ませてくれたと思う。夏目と鏡子だけでもその空気はあるんだけど、なんだろう、彼がいるとレパートリーが増える?二人だと夫婦漫才みたいで、またですか・・・?と途中で飽きたかもしれない。それに役割としてもやっぱりしがらみなく一般論を言えるのは彼だけだったんだろうと思う。芥川は彼なりに赤穂浪士討ち入りに関しては、独自の論があるから軽々しく一般論を口にできない。恋人の二人は言わずもがな。それこそいろんな人の視線をものともせず、鈍感に無邪気に赤穂浪士とはこんなものでしょ?と言える人がいる。秋山の軍人としての功績よりも(それも讃えているけど)信号文をより褒めるのが、根っからの編集者というか本屋というか、文章を愛する人だなと思う。
芥川は予想外に好青年だった。歴史上の芥川がどうだったかは知らないけれど、もっと気難しさがあるのかと思った。
赤穂浪士の筋が通らないという視点を持つ小説家と、吉良邸に何か言い表せぬものを感じている個人、それを芥川という名前で形を整えたのが彼。芥川と名付ける必要があったのか。でも、あの場ではきっとそれが一番収まりが良いんだろうなあ。浅野の乱心と夏目の乱心をリンクさせると決めた時点で。
自分の友人は浅野だという口ぶりだったけれど、本当は最初に出会ったのは彩夏だったんだな。その時点でことの発端は彼女だとわかる。
彩夏は言葉は丁寧で口数もそこまで多くないけれど、深窓のご令嬢とはまた違う。最初に長頼よほど一般階級の彼らに敬意を払っている。それは彼女なりの目的、長頼に真実をわからせてやる、そのためにやっと見つけた頭脳明晰な文化人だからというのもあるけど、彼女たち吉良家の子孫はその身分に奢ることをずっと許されない家系だったのではないか。他者からは白い目で見られ、誰に対しても礼儀正しく物腰柔らかに、相手に少しでも責める要素、やはり吉良の子孫かと言わせてはならない、そういうものの現れだったんじゃないかと思うと、お貴族様なんて軽々しく言えない。一般人よりよほどないがしろにされる存在。
長頼の高等遊民(それは台本見てわかったけど)の立場は、赤穂浪士討ち入り、つまり、吉良が殺されたことによって得られた、恋人の家系の犠牲のために今の自分が誇示する身分(らしい身分でもないけど)がある。それに気づいて、長頼はどう思ったんだろう。多少は罪悪感を覚えたんだろうか。だから、別れたんだろうけど。
忠臣蔵は2つの家だけではなく、日本の忠義の心の見本としてひっくり返すわけにはいかない物語。日本全国が敵である事実は変わらないけど、それでも吉良の血筋を誇りとして生きていく。
とっつきやすい要素、有名な文豪、有名な演目、それらを契機にしたしがらみと誰かを思いやる心の物語なんだろうと思う。
スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nasanotsuki.blog.fc2.com/tb.php/1185-ca102f9c

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

幸橋

Author:幸橋
視聴した作品のメモ
ボイスドラマ・ドラマCD作品の感想メイン(時々舞台など)

【注意】
※私的メモなのと気軽に聴きたいという理由から作品名だけの記事や感想が不親切な記事も多数
※感想が無い・雑でもご容赦下さい
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な感想が多くなる傾向があります

追加の注意書き

感想について

最新トラックバック

カテゴリ

RMR (3)
RNK (1)
108 (1)

フリーエリア

フリーエリア

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR