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弁当屋の四兄弟-令和二年版-

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藤波瞬平
さかいかな[友情出演]

ゲスト
狩野翔
小林大紀

※感想が不親切、というかメモだから意味不明
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な部分も有り

***
舞台は刹那的な芸術だと言うけれど、芸術ってなんだと思うけど、これは刹那的だとは思った。
男ばかりの4兄弟なんて騒がしくてどったんばったんしている。
そんな絵図は他でも見ていたはずなのに、これは「兄弟」だと思った。
流れるようなテンポの良いセリフ。でも、そんなのは今までだったどこかでは見かけたはずだったけど。
見ていて思ったのは、それはストーリーのためのセリフではなく、今ここの感情、今ここの思いのセリフだという感覚。
未来のためではなく、今この瞬間に消化、消費されるための言葉。
もちろん演劇だし、フィクションだし、ストーリーのためのセリフのはずなんだけど、私はきっと脚本家と演出家と何より役者に騙されている。
今、この時のための言葉だって。

中心となる清朝。やりたい放題、わがまま放題。なんでこんなことを言うんだろう、なんでこんなに信秀を困らせ、こんなに龍盛のことを嫌って、瑠宇玖を他の兄弟と違うと言いたがるのか。まあ、それは出生に関わることなんだけど、気に食わないで済ませられるその横暴に「なぜ」と思ってしまった時点で彼の表面に出さない思いの存在に興味を抱いてしまったのかもしれない。
家族同士で真面目な話は気持ち悪い。
その言葉でまずはなんとなくしっくり来た。彼はこの家を仕事場にしたくなかった、家族経営だけど、その話を家族の中に持ち込まず、ただ、くだらない中身のないバカな話をする、そんな「家族」でいたかった。
このうちは自分の家だ。働きもせずにそう言う。それはこの家は自分の家だと思いたい。血の繋がらないよそ者を入れたくないのは、そんな人間が家族になってしまったら、自分はそんな「よそ者」と同じになってしまう。兄弟でいられなくなる。そんな予感が無意識に働いたのかもしれない。
でも、これまでの家族でなくなっても、彼には大切なものを見つけた。彼らの中心にあるこの弁当屋、父の味。

信秀の弁当をまずいと吐き出した後の清朝の反応。叩かれた後、彼はきっと怒らないだろうという予感はあった。それは信秀の方がただらないほどに動揺していたから、自分より動揺している人相手だと冷静になれたりするのと、彼はそこで今まで通りの子どものわがままで気を引くことができない、それは間違いだと痛烈に感じたんだろうと思う。誰も叱らなかったから、気を引くのに彼はそんな方法しか知らなかった。
(一方で、法忠に子ども可愛いかと問うて、憎らしい時は叱りもすると言われたので、もしかして叱られたことで本当の家族という意識が芽生えたのかもしれないが・・・)

信秀の動揺はずっと甘やかして来た弟への折檻以上の動揺で、何がそんなに彼の弱い部分を突き刺したのかと思えば、彼にはトラウマな過去があった。
奇しくも同じ卵焼き。父親に否定された。
信秀も行方不明の母も似ている気がする。家族のために頑張って頑張って、いや、もしかしたら、家族ではなく、背中を追った父に、愛した夫に認められたかったのに、離れたいならどうぞといてもいなくても良いように言われて、気持ちの糸が切れた。
自分にとって全てだったことを否定された。
その時の動揺は清朝をぶった時に似て、後の龍盛の幼児退行にも似ている。父親として否定しながら、それでも、父がいる間だけは彼は子どもでいられた。今はもうそれではいられない。龍盛は周りからしっかりしていると言われているけど、やっぱりそんな幼児退行ができるのは信秀がいるからなんだろうと思う。
龍盛はきっと才能があるというよりも努力の人だ。だから、才能がある清朝に嫉妬して、才能があるのにそれを生かそうとしない彼に苛立ちを覚えている。その敵意みたいなものを敏感に感じ取って、清朝は龍盛が嫌いなんだろう。
300万でもこの魅力も何もない弁当屋にはましだ。普通は龍盛のように考えるだろうし、それが現実的で優秀な答えだと思うだろう。けれど、信秀の出した答えの方が、龍盛がずっと言ってきた家のことを考えろ、それを誰よりも実行した答え。誰よりも弁当屋について考えているのは清朝だった。それをきっと龍盛もわかってる。だから、最後に多くを言わずに弁当屋を託した。
瑠宇玖と清朝のじゃれあい(というにはどちらも体が多くてそこそこ良い年齢だけど)を見てると、男の兄弟ってこうなぜか拳までいかなくて物理的なコミュニケーションに頼るよなあと思ってしまう。2人のやりとりが本当に男兄弟って感じる。
彼をのけ者にしたいのは、清朝自身が自分の居場所に自信がないから。だから、その不安の生贄にしている。

そんないろいろ問題起こしている清朝なのに、兄をお願いしますって宇多に頭下げて。もうなんだかそれだけで涙が出てきた。
本当にこの子は家族が大切なんだなって。
安定した暮らしではなく、何かもっとその人の個にこだわるような理由なら、きっと清朝は認めたんだろうと思う。龍盛の奥さんが龍盛のキャリアではなく、彼の顔で選んだように(顔に表れる何かだと思うけど)、ねねが普通の基準(仕事や顔や学歴とか)ではない彼女だけの基準で清朝を選んだように。宇多がきっと彼女の持つ基準で信秀を選ぶなら、その可能性があるから、きっと彼女に頭をさげた。
ねねも清朝の顔が好みじゃなくて、ニートで、納屋に住むのにも、快適な生活ができるものは何も無くて、でも、彼女の基準で清朝を選んだ。
血が繋がってないとわかっていても、笑いながら信秀と似ているというのがもっとたまらない。兄弟だからなと言う清朝に見えないように目を潤ませる信秀も。

春日さんを信秀の奥さんにという話の微妙な空気。誰もが思いながら避けていた話題という感じがする。
進展しなかったのは、信秀が恋とかそういったものを忘れていたからだろうけど、宇多との見合いは多少年上でもそういう対象として見れるきっかけなんだろうか。宇多とくっつくかなと思ってたけど、何やら板垣が宇多を気にしているみたいだし。
宇多と信秀は奇行者同士お似合いだと思うんだけど(笑)
宇多は職場で明るいと言われているのが最後の笑顔でなんとなくわかった。惚れてしまうじゃないというのが可愛い。母のために結婚しないとという義務感で来たから本当に恋愛できるつもりではいなかったんだろうな。

板垣はちょこちょこ出て来る、清朝の家族とはまた違うけど、親友という関係性。いろんな関係性を切ってきた中で、続ける価値を見出したその関係性を板垣も嬉しがっていたんだろうか。でも、途中で機嫌が悪くなって暴走した信秀に厳しい目を向ける。板垣の清朝への思いみたいなものはまだ噛み砕けていない。でも、気の良い青年な分、その目の冷たさがひどく重い。

法忠のおふざけに乗って来る感じ、なんだか好きだな。
兄弟だから、家族だから、とかじゃない、彼だからという調子の良さというか。兄貴分みたいな腐れ縁みたいな。
なんと表現すれば良いのか。おせっかいなんだけど、憎めない感じが、彼だからという感じがする。彼がいるとクスッと笑ってしまうんだけど、ギャグみたいな面白味じゃなくて、本当にバカだなあみたいな。

妻ほど良い女はいないと言いながら、去る者を追わない。ほれてるのに手放す。
長男という重責から信秀を自由にしてやりたいと思っている。
ダメだったら清朝を自分が殺してやると言うのも信秀が清朝のことを背負わないように。
本当に愛しているからこそ、手放そうとする。わかりづらい、不器用な愛し方。
本当に父親と清朝は似ている。
洋介が清朝以外の3人は褒めたのに、清朝がバカだと言ったり評価しづらそうにしていたのは彼も清朝が血の繋がらない子どもだとわかっていたからか、それでいて誰よりも弁当屋を継ぐのに適した人間だとわかっていたからか。
彼に封筒をなげつけるけど、それって前々から用意していたってことだよね。わかっていて、彼の幸せのために放り出す。

信秀と父吾郎はまるで水と油みたいに似てないけど、龍盛が戻ってきた詳しい事情も聞かずにのんびりしろと言うし、例え、それが腫れ物にさわるような扱いだとしても、吾郎の背中を彼も見て育ったんだろうと思う。

春日さんが弁当屋の全国展開に反対するのがなんだか意外だった。
だけど、訳ありで転がり込んで来て、何も聞かずに拾ってくれた吾郎への恩義と彼の味に思い入れがあるんだろうと思う。
クズなのにどうしてこんなに人間的な魅力があるのか。魅力に惹かれて特別になりたいのに、彼は愛するが故に相手を特別な扱いをしない。自分に執着させない。

営業マンの平はダブルキャストで私は小林さん、可愛らしさを売りにするような営業マンだった。
弁当持って帰るかと言われて、味すら確かめない、過去に確かめたとしても、全国展開したいと惚れこんだ(はずの)弁当を食べようとしないことで、彼は源の弁当に興味がないとわかった。そこまで悪意や騙す気はないだろうけど、興味もない。味は自分たちが用意する、ただ、創業60年の肩書が欲しいだけ。

涙ながらに叫ぶとか訴えかけるとかそういうのほとんどないというか、そういうところじゃなくて、ふとこぼす言葉に突然涙が出てきて、どうしてだろうとか思う。
無理に仲のいい明るい兄弟を作ってないから、自分の兄弟関係に重なったのかもしれない。

なんかもっと色々あった気がするんだけど、記憶力の悪さを露呈・・・台本待とう。
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幸橋

Author:幸橋
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※感想が無い・雑でもご容赦下さい
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な感想が多くなる傾向があります

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