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僕の東京日記

劇団青年座研究所実習科44期 卒業公演
『僕の東京日記』
作 永井愛 / 演出 伊藤大

※感想が不親切、というかメモだから意味不明
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な部分も有り

***
あまり書くと教養の無さがばれるけど、個人の感想として。観たのはAチーム。

全体的に本が面白い。最初は学生運動とかヒッピーとか社会活動が出て来て、うっと思う。
私の年齢でさえ教科書の時代の話。それを今上演されても、社会への問題定期でもないし、古典をやるという価値とも違う。埃被った思想を引っ張り出すだけ、と思っていたけど。活動家たちが集まった下宿先は社会の縮図。でも、一番は何者かになりたい青年がいろんな人たちに関わりあう、その人たちの色でしかない。そう思うといろんな色がある時代だから、ちょうど良いのかもしれない。
でも、せっかくのその時代、その思想が腑に落ちているのか、腑に落とそうとしているのかが疑問。
思想を語る重みがちょっと・・・時代を感じる少々古い話し言葉もなんだか教科書を読んでいるみたい。
福島、須藤と井手が話すところとか。福島は確かに圧をかけるところまではわかる。でも、彼女の掲げる思想の裏にある彼女の事情が見えてこない。なんで活動に参加した?どんな人生を歩んで、どんな考えを持ち、どんな家族知人がいて。そういう個がつぶれてただの「女性の過激活動家」に見える。あの出番数でちょっと言い過ぎなのかもしれないけど、彼女が役としては一番意志と覚悟が強そうだからその裏付けの弱さが目立つ。
須藤はわかるわかると理解を見せながら、雰囲気変えてサッと立ち去るのが個人的には好きだったんだけど、次に井手に政府への不満を語る時の彼の理解を示す雰囲気と活動家としての雰囲気の切り替えが中途半端で、結局、あのわかると言う彼は懐柔するための演技だったのか、彼独自の性質なのか。どっちでも良い。ただ、彼もそこでどこに立つのか地面が見えなくなった。どっちかに振り切ればおもしろい役だったのに。たぶん無意識だと思われる独自の雰囲気があったから意図的に成形して欲しい。
まだ管理人や母親、ゲソ、ヤクザっぽい雰囲気を出せばいい相楽は明確なキャラクターがあるから演じやすそう。
キャスティングは見た目・・・?
主人公となる満男が・・・いろんな色がある登場人物のために彼自身はまっさら、真っ白じゃないといけない。だから、やりづらいのはわかる。わかるんだけど、・・・下手に見える。上手い下手とか評価できる人間じゃないからこの言葉好きじゃないんだけど。彼こそ教科書読んでいるのか?みたいな。小難しい言葉を実のある思いなく話しているからそうなると言えばそうなのかもしれないけど。特に鶴岡と逃げた逃げないの話をしている時とか。そこに彼最大のコンプレックスがあるのは後の流れから明確なのに。
鶴岡たちも逃げたけど、その後、満男が苦しんで空回りしていることは冷静に見られる分、自分の非を認める分、鶴岡は大人なのかもしれない。
学生運動も、付き合っていた女性にフラれたから、彼女が乗り換えた男性のやってることを見に行っただけだろうし、ヒッピーのピータンにバンダナ貰って服装すぐ変えているし染まりやすい。たぶんそんな流されやすさを自覚している。それをレールを敷こうとする親のせいにしようとして反抗する。最後の最後に結局、どうにもならなくなった時に助けてくれるのは、反抗していた親。彼らの敷くレールの先の決まった人生が見える。自分で自分の道を決められず、自分の行動の責任もとれない、そのことへの挫折。

満男はのり子と関わる時の子どもっぽさが好きだったな。キスはもう少し大人の色気が欲しかったかもな。もう一拍使うくらいでも良かったんだけど。びくびくした感じや素朴さ、その後の爆弾騒ぎの目がすわった感じとのギャップを出すところな気がするし、個人的には出して欲しかった。
面倒ごとを断れと言った人に、これ以上ない面倒ごとに巻き込まれ、それは不憫だと思う。ただでさえ、そのことが彼にはトラウマなんだから。

個人的に井出が好きだったな。最初の福島たちに弱気な彼は何を考えているのかわからない、立場が下ののり子を虐げるだけの存在だったけど、彼が主張する時の言葉は重みがあった気がする。それとも、考え方が過激な彼らよりも近いから共感しやすかっただけなんだろうか。
でも、叫ぶだけじゃない強さがあるから強気の井出が出てくる時は、威圧して台詞が一方通行の相楽がちゃんと会話してた気がするんだよなあ。
(暴力ではなく)生活の中で対抗する?ちゃんとセリフは覚えてないけど、そういう意味合いの主張にはなんだか納得感があった。
とはいえ、彼もめちゃくちゃ気弱な人間なんだろうけどな。それともよくよく理解しているがゆえに誰よりも恐れたのか。福島たちが爆弾を取りに来たと言われた後の全て放り出した思考停止。相当のストレスだったんだろうな。もっとタガがはずれても良かったのかな。わかんないけど。

ヒッピーの彼らが他の人達に比べて転げ落ちて行かないから(むしろ、ピータンは知識人っぽいかっこよささえ出しているから)筆者はヒッピーよりの思考なのかと思ったら、最後に仲直りさせようとした土橋と新見はまためちゃくちゃになるし、ゲソは金を持ち逃げするしで、ユッケはいなくなり、こけているからそうでもなかったのかもしれない(まあ、過激派によったところを見せたら問題作ではあるけど)3人があのはでな服装で踊るように動き回るのは見ていて楽しかった。存在自体は他の登場人物ほどそこまでくどくもなかったし。

土橋は普通の女の子や猫に狂ってる時は棒読みで、相楽をたきつける時は、もはやギャグ要員だったから、なんとも言いづらい。逃げ惑い、結果死んだ猫は満男の生き方の象徴で、無情に現実を突きつける存在なんだけど。ギャグの時は面白かったよ、意外性が。
土橋に限らないんだけど、言葉を重ねる強調表現の言い方はあれで良いんだろうか。現代の脚本にはあまり出てこないセリフの使い方だから、私にはわからないけど、同じ調子で重ねるのが正しいのか?あれがどうしても棒読みに聞こえてしまうんだけど。
新見は癇癪起こしているところはなんだか無理している感じがする。テンプレっぽいというか。卑屈になっている時の方が言い方悪いけど彼らしい。社会の底辺の恥まみれの人生。その要素からのとっかかりの方が良かった?後に満男と会社で出会うらしいシーンはぞっとしたけどね。猫のくだりとか。それまで自分を虐げたものを逆に踏みつけるのもどうするのもこちらの意のままという立場になった。

それぞれのコミュニティを渡り歩いていく小淵と母は、それぞれをつなぐのと最初はそれぞれを紹介するための要員なんだと思っていた。
でも、最後には勝手をする息子を、それでも見捨てられず、自分も恐いけど、親としての強さを見せる。最後のピースかっこよすぎるだろう。
小淵は、女優としての青木を応援する姿がなんだか自分と重なってしまって、たぶん共感が強かったなと思う。安定しない、未来の見えない職だけど、それでも出来るならキラキラした舞台上の姿を長く見守っていたい。自分の感動を幻にしたくない。
青木がスナックのママを捨てたことを最後に逆にもったいないもったいないと繰り返すのが立場が反転しておもしろい。
青木は悩み多い人だけど、なんだかんだめちゃくちゃになりがちなシーン(猫関係)で一喝したりするとか、スカッとする。
小淵や青木が何で震えるんだとか愚図?とか満男に投げつけた言葉は別に深くは考えてないんだよね。その場のノリ?頭でっかちとは違う強かさがある。最後の女性陣が笑って話しているのと絶望する満男との対比がすでにある。

言葉遣いが今とは違うから、どうしても全体的に違和感を覚える。それが演者の言い方のせいなのか、時代を感じる話言葉のせいなのかはわからない。後者だともはや何も言えないから、前者として書いたけど。

最初の紹介から事情の深掘り、それが絡み合ってバタバタしていく人間模様の喜劇、爆弾でいきなり急展開で、満男の軸にあるものが出て来て、最後には戻って来る。ただ社会を描くだけではなく、娯楽要素もあって、本は凄く良かった。と私が言うのもおこがましいと思うけど。
大騒ぎの時のいろんな人がこれまであまり関わりあいのない人とも話したり、出入りが激しく入り乱れる動きが、空間として立体感があったのも好きだった。
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