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ともしび

少女蘇生

Cast
鴫沢輝(しぎさわてる) 吉本裕太
鴫沢輝(語り) 勝沼紀義(ケッケコーポレーション)
鵙屋琴/春琴(しゅんきん)萩野春奈子 
温井佐助(ぬくいさすけ) 小俣範明 
鵙屋寿(もずやたもつ) 井せきただし(劇団夢神楽)
美濃屋利太郎(みのやりたろう) 米澤佳裕
父親 木下章嗣(ケッケコーポレーション)
Staff
原作 谷崎潤一郎「春琴抄」
企画・脚本 仲野識(少女蘇生)
演出 島野駿(少女蘇生)
演奏 村田貴章
舞台監督 風間結伍
舞台監督補 加賀屋基
照明 宮下正美
イラスト 小野原麻壱
制作 麻倉未夏(少女蘇生)/佐藤ユキ
動画 みね
調香 駿河みこと
■春琴
私が原作からイメージする春琴抄の春琴と佐助の主従関係に比べてきれいだなと。
あまり理不尽な感じがしませんでした。強いていうなら虫歯の時の仕打ちでしょうか(原作にもありましたが)
輝から見た2人の様子だと思うので、春琴も佐助もどちらも彼には主で、彼らも主としての振る舞いをしていたからでしょうか。三味線の稽古で春琴が佐助を泣かせたくらいが彼らのイメージだったのですが(春琴の顔がただれる前に関しては)
なので、ともしびの春琴は感情のままに佐助を痛めつけるというよりはもっと気丈で女主然としている感じですね。
命令する時も単純に声を上げるようではなく(むしろ、あまり声を荒げない人でしたね)シャキッとしている感じがします。
前の舞姫の時とは逆な感じでした(あれはエリスがかなり気の強い女性だった)そして、かなりの割合で女性らしさや弱さがかいま見える人でした。利太郎に襲われた時も震えていましたし(普通の女性なら当たり前の反応かもしれませんが)

■佐助
上に書いた通り、泣き虫で気弱なイメージが強かったのですが、演者さんの見た目も相まって精悍な感じで出てきた当初から一番意外でした。上条さんですよね?声の印象と見た目が合い過ぎててちょっと笑いました(笑うなよ)舞台映えするのに舞台出演少ないんですねー勿体ない(余計なお世話)
そういう方が佐助を演じる時点で意外だったんですけどね。春琴の下にいる以上は動きが洗練されていないといけないとは思いますが、春琴のわがままや理不尽な痛めつけをそつなくこなすのではなく、へりくだって、それでも崇拝して欲しかった!なんだか異様にかっこよくてそうじゃない!(うるさい)と思ったためかちょっと印象が弱い人だったのですが、春琴が顔にやけどを負ってからが本番の人でしたね。
利太郎に幸せな人だと言われた時に取り乱した時もちょっと彼の本質的な部分が出てきましたが、輝に使いと頼む時に目の前に輝がいるはずなのに、目が座っているというか遠い一点だけを見ていて、人形の目のガラス玉みたいでただひたすらに恐い。まるでこの時のためだけに生きてきたくらいの、ただの青年の空気が一気に変わった感じがします。
目を刺す前ふっと表情を緩めたのはなんでなんでしょうね。
目が見えなくなって、表情の整え方もわからずだらしない顔で春琴を見上げる顔がちょうど座っていたところから見えて、そのありのままの幸福な顔がああやっと佐助に会えたなと思いました。

■輝(語り)
朗読において安心して聞けるってすごく大事だなーと。
傍にユリの造花とお茶が置いてありまして、その白さを脇に置いて伏し目がちに語る様が絵になるなあと近くから見ていました。
そして、ちょいちょいシーンの節目に佐助が目をさす所で顔を背けたりとか天を仰いだりとか、唯一時間が違ってその場にいない人ですが、全く無関係にして座っている訳じゃないんですよね。それが目の端に感じるとこれはやはり輝の語りで、彼の心象が含まれた物語なんだなーと思います。動きがいちいちツボでした。

■鴫沢輝
むしろ、彼が私の中の佐助イメージなんですが(笑)彼と被らないようにした結果が今回の佐助だったんですかね。
見た目よりも設定はかなり幼いのかな。空気を読まない発言が多いなと思います。主人に自分の事が嫌いなのだと思っていたというなんて凄いなお前と思ってしまいましたよ。
おそらく話の流れからすると彼は農家へと養子に出された春琴と佐助の子ども、なんでしょうか。幼い子をたしなめ、見守り、教育する感じが春琴に原作よりも柔らかさを与えていた気がするのですが、彼女のその要素を作ったのは彼かもしれません。とか言い出すと主要2人を原作から変えたのは輝なのか?
ちょっと抜けてとぼけて純真で、でも、本質を曇りない様子で見つめるというのは演者の吉本さんが持つ雰囲気ですね。
春琴佐助の代わりに手を引くときに自分は後ろ向きに進んでいて、その拙さが佐助との差で可愛いなあ(笑)と思って見てしまいました。

■鵙屋寿
捻くれ意地悪な特殊なキャラ、というのは演者の井せきさんへのただの偏見ですね(苦笑)そういう人を予想していて。別に善人ではなく、むしろ悪意の人ではあるのですが、正当で義理のある人でした。普通の感覚で普通に悪意と嫌悪を投げてる人で、世間体でものを話さず自分の言葉で話す人なのであんまり嫌な感じはしないんですけどね、仰る通りというか。輝は冷たい目だと言っていましたが、そうなのかな?少なくとも彼には悪意を向けていなかったと思います。輝への悪意があるなら、輝の語りという形をとっている限りともしびという舞台上では彼はかなりの悪人の雰囲気を纏っていても良いと思う、でも、そうじゃない。
最後に輝が語るように彼の悪意は輝でも春琴でもなく佐助に向かっていたのかもしれませんね。
彼の台詞の1つが1番好きなんですが、捨てたいなら戻ってき、だったかな。春琴に言ったのですが。解雇しろではなく、戻ってこいと。彼は佐助や輝の事は正直どうでもいいけれども妹の春琴は気にしていて、でも、春琴はそれは一笑に付して、結局帰らなかった。春琴は佐助(と輝?)を捨てる選択肢がなかったんだなと。

■美濃屋利太郎
彼は意外に思った通りの遊び好きのぼんぼん、と思いきや。軟弱な印象が強いのですが、結構、強かで気骨があると思いますね(笑)むしろ、佐助は見倣うと良いよばりに。だから、原作では生理的に受け付けない奴だと思っていたのですが、意外に好きな登場人物です。最後破門の時の反応がやっぱり原作通りにしなくてはいけなかったので、仕方ありませんが、襲った後にいけしゃあしゃあと普段の様子で物腰やわらかく話しているところが、ぼんぼんのくせに打たれ強いなこいつ(笑)と。出番がそこまであった訳じゃないのに印象に残った人です。



名前が無いので書く場所に困ったのですが、父親の剣幕は古い父親像がありのまま出ていましたね。
待って、それ以上行くとさすがに舞台上はまずいから!と思わず思ってしまう勢いで、色んな意味でハラハラしました。目が見えない春琴をさげすみ嘲り笑うところは、良い感じに嫌な人でした!←

全体的に、
輝の部分以外は結構原作通りでしたかね。
幼い時の部分は大きくカットされていましたが、なら、小鳥道楽の部分はいるかな?というのが少し思ったところではありますね。春琴の気位の高さという高飛車な様というか、常人とは違うようなところとか、まあ、私にはわからない諸々の彼女の性質を出すには良い趣味ではあるのですが、今回に関してはあんまり小鳥道楽がもたらす効果がなかったような気もするような。
朗読と言いながら、大部分は動きで見せていて演劇とほぼ同じなので、演劇と同じところで比較される作品なのかなという気がします。そうすると朗読の静の部分が強く出ているので、少し平坦な印象が出てしまいますね。
まあ、正直、基本的には朗読苦手者(私←)からすれば、未だに演劇が出来るならなぜわざわざ朗読を選ぶんだろう……と思っちゃうので(物語とか演者さんが好きで聴くけど)、そういう感想になってしまうのですが。
少女蘇生さんは毎回面白いライブ要素を入れてきますが、今回は香りと生演奏ですかね。香りは下の方にいたので感じにくかったかもしれません(それを理解して下にいたので、香りに関しては上にいた方の感想を見るしかないですねー)生演奏に関しては、1か所目立つ感じのシーンが欲しかったかもしれません。生でやっている利点があまり享受できなかったかも。前回のライブで絵を描く方が印象を強く出せていた感じがします。それが最後バーンと出てきた事もあり。録音でも出来る事を生でやっているという感じから抜け出せなかったのは残念。

それぞれの登場人物に意外さが多かったですね。解釈の違いか、ただ単に私が偏見を持っているだけか。
形だけの耽美系に持って行かなくて良かったなーとは個人的にはほっとしています。
なんだか良い感じに少女蘇生さんらしい良さが見つかりそうな気がするけど、あともう一越えくれますか、という気がします。何かを気にして最後のリミッターかかっている感じ。原作が有名文学作品だからかな。その分重厚感と厚みはありますが、ブルー・イン・ザ・ブルーの方が作品で遊んでくれたかもしれませんね。
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Author:幸橋
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