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視聴note   クロの旅人

2017_10_31 .Tue
おにぎりワゴン  
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http://onigiriwagon.sakura.ne.jp/kuroshiro/

【注意】
※感想が不親切、というかメモだから意味不明
※ネタばれ有り
※作品に抱いた違和感を考察する事が多いので、結果的に批判的な部分も有り
クロの旅人とシロのたびびとのセット作品のクロの旅人の話。
クロの旅人のいる世界では、人は他人を殺せない。クロの旅人だけが人を殺す事が出来て、彼は人々の依頼を断れない。自分の願いを叶えるために。

サークルのおすすめ通り、シロのたびびとの前に聴き始めた時、最初に思ったのは「らしくない」でした。
4話構成。それぞれゲストというか、クロの旅人に依頼する人、殺される人がいる。そのお話が4編。
1話目を聴いた時、らしくないと思いました。シーンがつぎはぎのような細切れ、短いシーンを並べていて、クロの旅人と一緒にいる存在が周りの説明をしているけれど、それ以外は何の情報も無いと言っても良いくらい、世界の情報はない。それはまるで闇からキャラが出て来るような感覚です。お供の彼の台詞は何だか説明台詞のようで。
1話目に殺される彼にも殺す彼女もどこか物語としては表面的で、深入りしない感覚。演技は聴きごたえがあるけれど、感情移入が難しい。
らしくない。おにぎりワゴンさんらしくない。こんな下手をうつような企画者さんではない。
そう思うから逆に不気味でした。意図があってそうしているのか、それとも、繕えない程に何か核心に迫るものを表現しようとしているのか。どちらにしろ、何が出て来るのかとただただ怖かった。
各話で出て来る彼らに深入りしないのはクロが旅人であるからこそ、異邦人、傍観者という点を強調しようとしたといえば説明出来なくはない。そういう意図もあったんじゃないかと思います。

でも、それも2話目の双子の話ですぐに変化が現れる。話が進むにつれてクロの旅人自身も彼の感情を見せるようになりました。
最初のゲストキャラへの共感のしづらさはゲストキャラというよりもクロの旅人個人の感情と思いに徐々に沈み込んでいくという感覚を作り出していたような気はします。そういう意図だったかはわかりませんが。
双子は自由のために自身を殺して欲しいという、だけど、それは苦しまないようにです。
でも、嫌な予感がする、じわじわと彼らを殺す話をしてから双子を撃つまで、何か不気味なカウントダウンを聴いているようで、落ち着いた演出で不安をあおるわけでもないのにそれが逆に脈が速くなるような感覚がします。嫌な予感なんて当たらなければいい、彼らが痛みのない死が訪れればいい、そう予測したというよりもそう信じていたいだけだったのですが、うまくはいかなくて、先に先生から双子が苦しむように殺して欲しいと依頼をされていた。
双子だけれど、実は双子らしくないというか、声質は似ているけれど、なんだかあんまり似ていない双子だなと死に際の様子で感じます。
兄は弟を心配して、弟はひたすら恐怖に喘いでいて。

3話目が実は周りのキャラの演技としては一番聴きごたえがあったんじゃないかなと感じます。
孫娘や娘は誰が演じているだろうなとキャストを確認するくらいだったので。とりあえず、イヅカさんとアリアさんだと知って納得。
もう自我もないようなまともに話せない祖父を尻目に孫が祖父のためと言って彼を殺すことを依頼する。ずっと頭にあるのは、祖父は本当に孫の会話を理解できていないのか、本当に祖父は死にたいのか、もしかしたら、意識はしっかりしていて、死にたくない死にたくないと叫んでいるんじゃないのか、そんなことを考えてしまうと穏やかな死にはどうしても思えませんでした。
最後の孫の吐露は正直難しいなと思います。彼女にも利己的な理由があったけれど、それをわざわざ言葉にすることに意味はあったのか。もしかしたら、蛇足だったんじゃないか。でも、彼女がただの良い子だった訳では無いというのは、表現しなくてはいけなかったんだとは思いますが。だから、難しい。

そして、4話目。ここではクロの旅人の核心に迫ります。クロの旅人の殺された妹が出て来て、そして、彼らを殺した男性も妹の兄として現れる。兄は殺すような人ではない、その妹の言葉はこれまで多くの人を殺して来た本当の兄であるクロが兄であることの否定にもとれる。
言葉で説明するのはあまり好きではないです。でも、シーンではなく、クロ自身の言葉でどんな悲惨な殺され方のをしたのか、どんな残虐な場面を目にしたのかを語らせるのは逆にその凄惨さを感じさせられました。シーンとして表現してもたぶん美藤さんも橘こむぎさんもひげ太郎さんも演じきったでしょうが、どこかチープな感じがしたのではないかと感じます。
そういえば、ひげ太郎さんのこんなただただ悲痛な叫びって今まで聴いたことがあったかな。明るく騒ぐ声はよく聴いたことがありましたが。
一緒に行けないという妹に対して少しだけ引くのは早かったような感じはします。
その後の今の彼女の兄で、クロの旅人が殺したいと願ってきた彼が1人で死ぬのが恐いからと妹を殺すことを依頼してきた時は、言葉にならなかった。刃物で切られるのとは違うような、底なし沼に沈んでいくような感覚。もう抜け出せない。悲しみや苦しみとは違う絶望。
妹を殺したい彼の感情はただただシンプルで、1人は嫌だ。ただそれだけ、何も企んではいない、何も図ってはいない、だからこそ、逆にどうにもならない。
その依頼を知って、妹はどう反応するのか、恐慌に陥るのか、依頼をした彼を憎み、呪うのか、それとも……
彼女は受け入れた。兄は心の弱い人だからと。そんな風に思うのか……という感覚は諦めに似ていたと思う。それはクロの旅人と案外そんなにかけ離れていないのではないかと思ったり。

クロの旅人の物語自体には救いはなかったけれど、本当にそうだったのかはシロのたびびとを聴いて判断しようと思います。
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